私はあまり芸術的ではありませんが、本に没頭していた時期があり、その中に心を打たれた詩がありました。
先にご紹介した神谷美恵子氏の訳で、ハリール・ジブラーンという詩人の本があります。
子どもについて書かれた詩の一部抜粋をこちらに載せます。
赤ん坊を抱いたひとりの女が言った。
どうぞ子どもたちの話をしてください。
それで彼は言った。
あなたがたの子どもたちは
あなたがたのものではない。
彼らはいのちそのものの
あこがれの息子や娘である。
彼らはあなたがたを通して生まれてくるけれども
あなたがたから生じたものではない、
彼らはあなたがたと共にあるけれども
あなたがたの所有物ではない。
あなたがたは彼らに愛情を与えうるが、
あなたがたの考えを与えることはできない、
なぜなら彼らは自分自身の考えを持っているから。
自分は親との関係に悩むことが多く、神谷氏の本を多く読んでいたのですが、その著書の中で紹介されてあった詩にはっとさせられたのを覚えています。
親子であろうと、人はそれぞれ別の人間なのです。別の人格なのです。
そしてお互いどんなに近い関係であろうと、コントロールすることができません。
人はそこに苦しみを覚えますが、一方で誰にもコントロールされない自立した存在であることに気づけます。
一人だと思う方へ。一人で歩む覚悟が持てない人が群れたがるだけです。